(02/12/07)
寝不足は美容の大敵だとか
12月の7日に大会があると聞いたのは、半月ほど前の事だったように思う。その時は、『ああそうなんだ。どうせ俺には関係無いもんね―』と我関せずだった。したがって、まさか僕が参戦する事になろうとは思っても見なかったし、こればっかりはお天道様でもわかるめぃべらんめぃばぁろぅちくしょぃっ!!ってなもんだった。
『NARUも参加するんやで』と佐藤氏に言われたのは、12月に入るか入らないかの頃。この時、僕のデッキは過渡期であるというか、成長期であるというか、休息期であるというか、ようは行き詰まっていたと言えなくもなかったわけで、『参加』の二文字は痛いほどのプレッシャーを僕に与えてくれた。
それからというもの、夜は寝る間も惜しんで佐藤氏とデュエル、昼はデッキ構想を練る片手間に仕事と、もうガンダムウォー(以降、GW)尽くし。しまいには、限りある睡眠時間にもカードの山に埋もれる夢を見る始末。ああ、僕の平安は何処へやらッ!!
ここで次回に続くと美しかったのだが、さすがにそうもいかない。悩みに悩み、すったもんだの末、今までのデッキで行こうかと考え出したその時、光明は身近な所に待っていたッ!!
大会三日前、とあるルートから、新録シッロコを二枚手に入れることになったのだ。正直、ガンダムシリーズをほとんど見ていない僕にとって、シロッコはただの髪形が変な兄ちゃんというくらいの印象だったので、その能力を知っていても使いたいとは思っていなかったのだが、手に入れてしまうと話は別だ。早速シッロコを中心としたデッキを組む事になった。
さてこのデッキ、完成に至るには紆余曲折あり、そこには想像もできない出来事が!一体、どうなってしまうのか!!と某『ガチ○コ』のナレーションが入ってもおかしくはなかったのだが、紙面の関係でここは割愛。デッキ内容はこちらを見ていただくとしよう。
そこから大会までは、全くもってあれよあれよという間だった。夜は佐藤氏宅、昼はお仕事のフリで、気がついたら大会当日の朝だったのである。ちなみに、この間の睡眠時間、約八時間。内訳は、1日目4時間。2日目2時間(1時間仮眠+1時間仮眠)。3日目2時間(1時間仮眠+1時間仮眠)。もっとも仕事が忙しい時でも、もう少し寝ていた気がする。……24歳社会人の生活パターンじゃないだろ、これは。
ライト・スタッフ
大会は神戸の兵庫県民会館で行われ、そこに至るには車で3時間ほどの旅程があり、その珍道中東海道膝栗毛竜馬が行くか菜の花の沖か旅路を行くのかというものだったのだが、あえて割愛。そんなものを書いていては、レポートにたどり着けない。
しかし、それはそれとして初めての大会である。その緊張は隠しきれるものではない。1回戦の間、絶え間無く手が小刻みに震えていたのは、僕がアル中だからというわけでは決して無いのだ。イヤ、本当だってば。
さて、その1回戦。話を聞くと、相手も僕とGW歴は一緒。いい相手にあたったもんだとは思ったのだが、さすがに大会が初めてというわけでは無いらしい。こういう場では、経験の差が大きく関係する。勝つには、僕の正しい資質を見せるしかないのだ。
1戦目、手が震えて美味くカードをもてない僕に、相手は怒涛の攻撃を見せてきた。しかし、その攻撃が、僕をリラックスさせたのだ。一回戦の相手は緑単速攻デッキ。この一年、僕がガルマさんに苦しめられてきたデッキだったが、そのおかげで、このデッキに対しての戦い方はわかっている。僕はひるまなかった。
しかし、1戦目は僕が落とした。シロッコを引けなかったのがその敗因だが、それだってダメージによって捨て山に落とされたに過ぎない。結局は、プレイングのまずさが目立つ戦いだったのだ。
この1戦目によって、僕は緊張から少し解き放たれた。サイドを変える手は震えたものの、どうやって相手を倒せばいいのか、そのプランが組みあがっていく。彼には悪かったが、緑単速攻というのであれば、ガルマさんのデッキの方が遥かに手強い。そして、そのガルマさんのデッキにだって、僕は互角に近い戦いができるようになっていたのだ。僕の脳裏に勝利の2文字がよぎった。
2戦目。G一枚で始めたが、上手い具合にGを引いた。3、4枚ほど相手の配備エリアにユニットが並び、ドズルがザクに乗る頃にはジオン掃討作戦が手札に入っている。もう負ける気はしなかった。中盤にシロッコをアドラステアに乗せ、そのまま押しきる形で勝利。
3戦目、2戦目とほとんど同じ流れで試合は進む。途中、混戦に守られる形でシロッコを引き、ユニットを展開するも、決め手にかける。ジ・オがシロッコで呼べなかった為、相手の配備エリアを抜けてダメージを与える事ができなかった。しかし、武力による統制のアドバンテージで辛くも勝利をおさめた。
結果は、2勝1敗。デビュー戦にしては、これ以上無い戦果だった。いや、この後に吸ったタバコの美味かった事ッ!!やはり、勝つってのはうれしいもんだ。もっとも、この戦いに関しては、ガルマさんとの戦いの経験が大きく役立ってくれた。ここは、素直にガルマさんに感謝である。
経験値
2回戦の相手は、少し遅れて席に着いた。相手は、少し落ち着きの無い高校生。カードをシャッフルする間も、絶え間無く口が動いている。作戦、というわけではなかったのだろうが、緊張が完全に解けたわけではない僕にとって、これは少しこたえた。落ち着かない。いやな予感がした。
1戦目。中速デッキの中でも少し遅目の動きをする僕よりも、相手のデッキはさらに遅い。展開しているGは青、緑、そして茶。茶のオペレーションと青でカードを引いては、ナニやら独り言を言っていた。
僕のほうはといえば、手札にシロッコはいたものの、相手が攻撃してこない上に手札も順調に回っていたため、捨て山とジャンクヤードにカードが溜まらずシロッコが張れない。いつの間にか、手札から普通に大型ユニットが配備されていた。
しかし、殴れども殴れども、相手は動揺する事は無い。黙々と(しゃべりながらではあったが)カードを引き、オペレーションを張り、カードを引き……。
「にかっ」っと、親切にも笑いの効果音を口に出し、彼が動いたのは中盤もそろそろ終わろうかという頃だった。すでに、場には量産化の成功が張られている。ユニットは月光蝶ターンAが1枚。そこへ、さらにターンAが二枚ほど張られ、ユニットが量産化の成功の効果で起された。その後は、お分かりだろう。月光蝶ターンAの効果で、僕の本国は最後の1枚まで削られてしまった。
2戦目。お互いにG事故で、なぜかユニットを引かない。終盤近くまでお互いに何もできなかった。勝負が動いたのは、相手が再び「にかっ」と効果音を発した時だった。勝利を確信した顔で、女スパイ潜入を打とうとする。
ここが勝負どころと僕は感じた。カットで偽りの会談を打ち、手札を入れ換える。これが成功だった。相手にはいいカードが入らず、僕のほうには待ちに待ったユニットが入ってきた。そのまま、シロッコを打ってユニットを展開させて勝利。かろうじて勝ちを拾うことができた。
3戦目。この戦いで、この日最大のミスを僕は犯した。中盤に張られた地球光のテキストをチェックしたにもかかわらず、それを見逃してしまったのだ。手札には偽りの会談もあったのだが、これは女スパイ潜入の為に取っておかねばならないと考え、温存してしまった。
もちろん、そこが使いどころだったのだ。後は、簡単である。ハンマーターンAに殴られ、負けてしまった。敗因は、カードを知らなかった事だが、それ以上に僕の不注意だった。テキストをチェックすれば、その後どうなるのかわかるはずだったのだ。
今思い出しても、あの戦いは悔いが残る腹が立つあーもうッ!!。
言い訳をしてもらわせれば、地球光というカードを知らなかったのが悪かったのだ。経験の差だったのだ。引きは悪くなかったのだから。そう、僕は悪くない。経験の差ならしょうがない、しょうがないったらしょうがないんだいっ!!いや、それだけです。ゴメンナサイ。
君は、バイク乗りの魂の唄を聞いたか
3回戦。ここで勝っておけば、ひょっとして上位に食い込めるかもと考えてしまう。先ほどの負けなどクソ食らえである。『ウンコ召し上がれ』ってなもんだ。
と、まァこんな感じで、僕は意気揚々と対戦のテーブルについた。ところが、テーブルの対面には見知った男が座っていた。通称「弟君」。黒単速攻を愛して止まない、明日を夢見るバイク野郎である(これは僕の個人的な見解であって、彼に直接聞いたわけではない。悪しからず)。
同じ黒使いとして、負けるわけにはいかない。イヤがオウにでもテンションはあがる。張り詰めた空気、飛び散る火花、弾け飛ぶ汗、戦い、友情、夕日に向かって叫ぶ二人、しかし、本当の戦いは今始まったばかりである……。
……と、一方的な気合を込めて、第1戦は始まった。ところで、僕は速攻ウィニーというやつに滅法弱い。中速デッキでも少し重い目の動きが好きだから、準備を整える前にあらかた本国を削られてしまうのだ。そこで、今回のデッキには速攻対策がこれでもかといわんばかりに込められている。
序盤はジオン掃討作戦、マリア主義(こっちはサイド)、中盤からは混戦、そして核の衝撃。ユニットも、パラス・アテネ(重装備)、BBサイコガンダムで範囲兵器を布陣に組み込み、ガンダムMkWで小兵を撃ち落とす。体制は万全であるはずだったのだ。
ところが。序盤、少しユニットが並んだところでジオン掃討作戦を撃った時、自体が想像以上にやばいコトになっていると僕は気がついた。すでに、敵配備エリアにはバイク乗り魂が貼られており、Gが3枚ならんでいる。
これは、タイや持ちが異様に硬くなっていく事を明確に示している。それでも、戦斗バイク甲タイプなどの小兵は落とせないでもない。だが、それでは問題の解決にならない。1体や2体のバイクを落としたところで、弟君は痛くも痒くも無いだろう。もちろん、落とされないに越した事は無いのだが。
さらに問題はあった。特殊シールドである。こいつの存在のおかげで、アインラッド等の補助機体が、すでにジオン掃討作戦3枚を要さないと落とせなくなっていた。核の衝撃が打てればまだ勝機は見えるのだが、ジオン掃討作戦でダメージ源を減らせない事には、今にも本国から落ちていってしまうだろう。
で。
案の定、そのまま押しきられて1戦目終了。慌ててサイドからマリア主義を投入する。これを引けば、少なくとも序盤は持ちこたえる事ができる。そうすれば、混戦を貼ってさらに体勢を整え、一気に逆転コースと夢も見れるわけである。実際、僕はそれを夢見た。
2戦目。マリア主義を引かない。Gも引けない。したがって、何も出来ない。この状態、決して回っていないワケではないところがミソだ。つまり、あまりの猛攻に、重要なカード―この場合はGが―がどんどん捨て山に落ちていってしまっているのだ。
というわけで、2戦目も完敗。2戦先取形式だった為、ここで試合は終了。痛い二つ目の黒星を手にする事になった。敗因は……黒単速攻バイクデッキとの経験不足か、腕の差か。それとも天に見放されていたのか。まぁ、言い訳はすまい。あまりにも気持ちのいい負け方であった為に、あまり悔しさも残らなかったのだったり。
いや、それにしても強いわ黒単。
最後の聖戦
とうとう、最後の戦いである。ここまでの戦績は、3戦1勝2敗と若干黒有利。やっぱり黒使いだなぁ、黒が好きで好きで困っちゃうぜ、なんて言ってられない状況なのである。
満を持してこの大会に挑んだのだ。勝って帰らなければ、故郷の母に顔向けできない。せめて、最後の戦いで勝利し、2勝2敗としておきたいのである。そうでなくては、この1年面倒を見てくれた師匠たちに申し訳が立たない。
と言う事で、第4戦である。ところで、初めて戦う相手というのは、当然の事ながらその戦い方、傾向どころか何色を使っているのかわからない。『ああ、こいつはこの顔だったら青単使いだな』とか、『その体から漂う緊張感は……赤緑か』とか、顔や雰囲気でわかれば楽なのだが、残念ながらそこまでGWの高みには到達していない。戦いが始まり、2、3枚のGが見えてきた段階で、ようやくその色と戦い方が予想できるようになるわけだ。
第4戦、1戦目が始まって2、3ターン目。敵の配備エリアには青G2枚と緑G1枚が並んでいた。この辺で、そろそろ敵の傾向が見えてくるわけだ。しかし、この色の見え方。僕の脳裏に、ふと昔の痛い思い出が走った。
それは僕の1年ほどのGW史上、もっとも衝撃の大きかった180点ダメージの思い出である。青、緑、茶色で構成された、ギレンターンXデッキ。そのGの展開のしかたと、今回の相手のGの展開のしかたがよく似ていたのだ。
僕は恐怖した。あれに勝つ術はあるのだろうか。実は、無いわけではない。偽りの会談を改心のタイミングで放てば、あるいは逆転の可能性もあるだろう。僕は、開始からずっと手札にある偽りの会談を温存した。
ところが。いつまでたっても茶色のGが出てこない。あれ?っと思っている間に本国を削られ、1戦目は終了。狐につままれたような感じだった。しかし、2戦目が始まるまでに僕は気がつく事が出来たのだ。
そう、この最後の相手のデッキは、ギレンターンXではない。ただの青緑中軽速デッキだったのだ。そうとわかれば、何も緊張する事はない。1戦目では、何も特別な仕様は感じれなかった。それならば、スタンダードな動きのデッキに負けるわけにはいかない。
2戦目。気を取りなおし、戦いを始める。ところが、一向にGを引けない。ここで負ければ後がないというのに、こんな事では埒があかないではないか。焦った。
焦って焦って、どうしようもない、こりゃ負けたかな、と考えていると、自分の捨て山に1枚も捨て札が溜まっていない事に気がついた。よくよく見れば、相手の配備エリアにも、Gは1枚しかなかった。
チャンスである。ここでGを引きさえすれば、一気に僕のペースになる。もっとも、これは相手も同じ。Gを先に引いたほうが勝ちなのだ。
結局、勝利の女神は僕のほうに振り向いた。数ターンの引き合いの結果、僕のほうが先にGを引ききったのだ。あとは、ジ・オにシロッコを乗せ、序盤にジャンクヤードに送ったユニットを引っ張り出して勝ちパターン。1勝1敗で正真正銘最後の戦いとなった。
3戦目。僕と戦績が同じ相手にとって、ここで負けることが出来ないのは一緒。見た目はおとなしそうな子だったが、内に秘めた闘志がひしひしと感じられた。相手にとって不足はない。かかってこい。俺は勝ってあの泪橋を笑顔で渡るんだなぁおっさんそうだあそこに見えるのが巨人の星だ思いこんだら試練の道だ真っ白に燃え尽きちまったぜ。……と、まぁこんな感じで戦いは進んだ。
2戦目が嘘のように、お互いよく回った。僕はスピードで二回りほど負けていたが、それでも核の衝撃、混戦などでよくしのいだ。相手もまた、それに負けずにユニットを繰り出し、適度に回復しながら僕の本国を削る。
しかし、僕の手札にはシロッコがすでに用意されていた。また、武力による統制もあり、体制さえそろえばいつでも反撃に出る事が出来る。そもそも、相手がスタンダードデッキであれば、多少のダメージは痛くない。どうせシロッコでユニットを拾ってしまうからだ。むしろ、ある程度はダメージを受けていた方が後でシロッコを打ちやすい。
ところが、いつまでたっても最後のGを引けなかった。いかに武力による統制が手札にあるとはいえ、あまりダメージを受けすぎるとまずい。武力による統制を貼る事で、捨て山のカードは本国に戻ってしまう。武力による統制自体は優良カードだが、シロッコと相性がいいわけではないのだ。
さらには、武力による統制を割れなければ、武力による統制はかえって足かせになってしまう。そして、手札にその役割を成すカードは入っていなかった。
小さな不安が大きくなり、不安が焦りに変わろうとしていた。本国の枚数が数えるまでもなくわかるようになっていた、そんな時、待ちに待った5枚目のGが手札に入ってきた。もう待つことは出来ない。僕は勝負に出た。
武力による統制を打ち、本国を回復した後、シロッコをジ・オに乗せる。ジャンクヤードにはもうジ・オはなく、アルベオ・ピピニーデンが落ちてしまっていた。敵の配備エリアにユニットが十分いるだけに、せめてもう1枚のジ・オを捨て山から引かなければ、十分なダメージを敵本国に与える事は出来ないかもしれなかった。
しかし、無情にもジ・オは捨て山にいなかった。本国に埋もれていたのだろう。仕方なく、僕はサイコガンダム、アドラステアなど、防御用のユニットを最後のGまで使いきって呼び出した。後は、プレイングと、運の勝負だった。
で、結局のところは、僕が辛くも勝利を収めた。最後の残った本国は5枚。ギリギリの勝利だった。全く、強襲ジ・オ様々である。
勝利の栄光は僕のものではなかったらしい
大会が終わり、表彰式。僕の戦績はというと、4戦して2勝2敗。参加23人中、17位だった。初めての大会にしては、まぁまぁの出来だったのではないかと思う。
優勝者は黒単使いの方。同じ黒単使いとして、敬意を感じた。やっぱり、黒強いッ黒最高ッ黒最強ッ……っとあまり調子に乗ると他の色を愛する方々からクレームがきそうなので賞賛はこの程度にしておこう。
正直、僕はもっといい所までいけるかとも考えていた。あわよくばめちゃくちゃに勝ちまくり十字勲章なんぞ手に入れちゃったりしたらどうしよういや困ったな勝利者インタビューとが受けちゃったりしてまいったなぁもうってな想像までしていたのだ。いい気なもんである。
しかし、大会レポートを気軽に引き受けてしまっていた手前、これが燦燦たる結果だったらどうなっていたのだろうかと考えるとぞっとする。『4戦全敗、ネタとしては面白いが、僕としては何も面白い事はなく……』なんてレポートになっていたのだろうか。それを考えると、この結果、まだ悪くなかった。
ネタとしては面白くも何ともない結果ではあったが。
ともかく、大会はこうして終わった。大会の雰囲気や、他の戦いなどに関して、全く触れずに個人的な報告しかしないままにレポートを終えてしまうのは心が痛いのだが、それでも大会は終わったのだ。
実はこの後、幹部の一人の家に11人もの人間が押しかけて騒ぎまくったのだが、それはまた別の話。いつかまたお話することにして、この大会レポートを終える。だって、大会終わっちゃたんだもん。
……次はもっと勝ちたいなァ……。
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