| ←’02 4月の活動記録へ | ||
| Naru | 8月14日 | 神戸からの刺客 先日、久々にガンダムウォー(以下、GW)をやったせいで、休日前になるとどうにもGWがやりたくてしょうがなくなる。午後八時過ぎ、おもわず美輝ちゃんに電話をかけた。遊んでもらえれば御の字だし、ダメなら自宅で酒でも飲んで寝るつもりだった。 電話に出た美輝ちゃんは眠そうだった。どうも、寝起きらしい。いくら休日とはいえ、こんな時間から寝ているとはどういうことだろうと思っていると、美輝ちゃんの方からその理由らしきものを聞く事ができた。家名同盟神戸支部の面々が遊びにくるのだというのだ。 たまには違う人とのプレイをしてみたかったので、これはチャンスとばかりに、無理を言って参加させてもらうことにする。前々から聞いていたところによると、僕と同じ黒単使いがいるらしいし、よくわからん動きをするデッキ、赤カウンターなどの見た事も無いデッキを使う人がいるらしい。あわよくばボロ勝ちして実力を見せてやらなくてはと、僕は一人ほくそ笑んだ。 美輝ちゃんの家に着いたのは午後十一時。ガルマさんと神戸支部の面々三人はすでに到着しており、七畳一間の部屋がカードと人で埋まっていた。はっきり言って、むさ苦しい。普段、男ばかりの職場で働いていなければ、「ワシ、もうイヤやッ!オウチ帰って風呂入って酒食らって屁ェこいて寝るンやっ!!」と泣いていたくらいの勢いである。 しかし、そんな事をおくびにでも出しては負けである。すでに戦いは始まっているのだ。第一印象はさわやかな好青年を演じておいて、油断させておかねばならない。神戸からやってきた刺客達。僕は、彼らに勝つ為に美輝邸にやって来たのだから。 「はじめまして。NARUといいます。いつも美輝ちゃんがお世話になっております」 精一杯の笑顔で敵意を隠し、僕はさわやかに挨拶をした。 繰り返そう。すでに、戦いは始まっているのだ。 戦いの前に 簡単な自己紹介をすませると、僕はタバコを吸いに台所へ下がった。どうやってあの三人をギャフンと言わせてやるか。まずは作戦を練らなくてはならない。自己紹介を見た後の反応で、ある程度のヒトトナリはわかるものだ。 もっともフレンドリーだったのはアシャーさん。ウォークマンで何かを聞いていた(後にラジオと判明)のは、チャンプさん。そして、なかなかいいガタイを小さくして部屋の隅に座っていたのがキュベさん。みんな、ヒトクセ、フタクセありそうだ。 しかし、GWをやる上では、見た目は余り参考にならない。その人の思考、デッキの方向がわからなくては、見た目とのすりあわせができない。結局、やってみるまでわからないということか。僕は考え込んだ。もちろん、どうやって勝ちに行くかを、だ。 しかし、そうこうする間に絶好のチャンスがやってきた。アシャーさんとチャンプさんが一戦交えるという。これはいい機会である。傾向と対策が練れる。僕は、何気ないふりをして観戦を決め込んだ。 二人の戦いは、僕を油断させるに十分だった。アシャーさんは黒単速攻、チャンプさんは赤緑毒汚染。アシャーさんの黒単はスピードはあれど破壊力が僕に及ばず、チャンプさんの赤緑毒汚染は面白いだけだった。……少なくとも、その時僕が見る限りでは。 二人の戦いは4、5試合に留まり、僕は再びタバコを吸う為に台所に下がった。「勝てる」僕の心に勝利の予感がよぎる。新しく組んだデッキに多少の不安は残るものの、勝てない敵ではない。僕はそう踏んだのだ。 思えば、この時点で僕はすでに負けていたのかもしれない。『敵を知り、自分を知れば百戦危うからず』という言葉がある。僕は、何より自分の実力を読み違えていたのだ。 もちろん、相手の実力も。 君は、緑色の月を見たか その夜、一人目の相手はチャンプさんだった。赤緑毒汚染デッキには、チャンプさんが回らなかった事もあり快勝。その後に繰り出されたデッキにも、やはりG事故により勝利。スマートな勝ち方とはいえなかったが、勝ちは勝ちである。 僕のデッキでも十分通用するではないか。ここで、僕は大きく油断した。しかし、その絶妙のタイミングで、チャンプさんが新しいデッキを取り出して言ったのだ。 「じゃあ、大会用で」 この『大会用』こそが、僕の油断と自信をコテンパンに打ちのめし、叩きのめし、最大の驚愕をもたらしたデッキだった。しかし、この時点の僕は、そんな事を知る由も無い。ただ、あわよくば、勝って名を上げてやろうと甘い事を考えていた。 パッと見、チャンプさんのデッキは緑茶。経験の少ない僕にはどんなデッキかはわからないのだが、それでも序盤は僕のペースだった。これまで通り、チャンプさんのデッキはあまり上手く回っていない。逆に、チビチビとではあるが、しかし確実に、僕の攻撃はチャンプさんの本国にダメージを与えていた。 自分のペースで戦えている以上、敵の戦い方など気にする事は無い。勢いに任せて押しきってしまえばいいのだから。 失礼な話ではあるが、この時僕は、「大会用といっても対したこと無いじゃないか」と、大それたコトを考えていた。情けない話である。今から考えれば、「やばい」「おかしい」「なぜこんなにも回らないんだろう」そう言いながらも、チャンプさんからは、どこかしら余裕と自信がにじみ出ていたのだ。それに、僕は気がつけなかった。 一体目のターンXが出ても、僕はまだ余裕だった。すでに、本国はいくらも無いのだ。たかが一体のターンXが出ようとも、上か下のどちらかを抜けばイイ。仮に止められても、僕には必殺の『宇宙の虎×3+べスパ襲来』がある。まだ手持ちに『べスパ襲来』が無かったが、チャンプさんの残り本国から考えて、この攻撃に耐えられるとは思えなかった。 ところが、である。 中盤を回り、チャンプさんの本国も残り少なくなってきた頃。僕が、淡い勝利の予感を確信に変えようとしていた時。そして、必殺の『ベスパ襲来』を手に入れ、トドメを差す瞬間を脳裏に描いていたその瞬間。 「俺、ひどいコトするかもしれん」 笑顔のチャンプさんから、僕への死刑宣告が飛び出した。 その後のことは、あまりよく覚えていない。緑色のオールバックの人が出てきて、女スパイが笑顔で僕の足を止め、そして気がついた時には、何故かターンXがチャンプさんの配備エリアに3体並んでいた。 で。 想像を絶する、180点ダメージとかなんとかいうものをくらって、僕の本国は敢え無い最後を遂げたのだった。 特に、この闘いに関してそれ以上の言は無い。しかし、もし一言だけ言わせてもらえれるのならば。一言だけ。そう、一言だけ言わせてもらいたい。 それはない。 改革の時は今 2回戦目はアシャーさんである。僕と同じ、黒使いということらしい。戦いの前に見せてもらったファイルには、レコアがこれでもかというくらいに並んでおり、その光景はまさに驚愕的で、こないにレコアばっかり集めてどうするンやいやページを飛ばせばホラこんなにも他の黒カードがわんさかとってやっぱり数ページにわたって同じカードかいこれってめちゃすげ―んじゃなかろうかいやしかし以下略。という按配だった。 さて、その戦いについてであるが、ここは僕の名誉を考慮して割愛しよう。別に、ボロボロに負けたというわけではない。アシャーさんが回らなかった数少ないチャンスにたまたま僕のデッキが回ったために勝利を危うく拾ったとか、そんな事実はひとつもない。ないったらない。ないんだいっ。 結局、僕の見立ては間違いだった。破壊力だけ見れば僕の方が上かもしれないが、スピード、爆発力、バランス、どこをどうひねっても、僕のデッキはアシャーさんのそれに勝っていなかったのだ。完敗だった。 ところで、この家名同盟で戦っている間、真性の黒使いに出会ったことがなかった僕にとって、アシャーさんとの出会いは実り大きなものとなった。学ぶべきことが多く、また多くのアドバイスを頂戴した。感謝の意をここに表すと共に、今後一層の努力を表す物であり、まことに遺憾ともし難い物で有ったりなかったりというような、そんな気がしてやまない今日この頃です。わけわからん文章になっても読者は気にしないように。 戦いが終わった後、アシャーさんが僕のデッキを見てくれた。どんなデッキにしたいのかと問われた時に、僕は『黒単ウィニー』と答えた。とたんに、デッキが組み直されていく。1枚1枚のカードにダメ出しがされ、同じに評価され、デッキ内のカードが変わっていく。気がつけば、僕のデッキは全く別のデッキに生まれ変わっていた。 ところが、このデッキが、僕には合わなかった。勢いが足らなかったわけでもないし、バランスが悪かったわけでもない。ましてや、カードが足らなかったわけでもない。用は、僕の腕の問題であり、僕の思考、趣味の問題だった。 僕は、どうもチマチマとユニットを並べ、ただ単純に殴るという戦法に熱を感じないらしいのだ。それに、今まで強引に強襲をつけてダメージを無理矢理通していた為に、防御されると勢いが縮んでしまう。 つまり、あの時点での僕は単色速攻に向いていなかったのだった。 ところが、である。ここからがアシャーさんのすごいところだったのだが、恐る恐る僕が単色ウィニーは使いにくいということを伝えると、今度は猛烈な勢いでデッキが中コスデッキに変わっていったのである。 これは僕にしてみれば、神業のように見えた。どのカードを切るか、どのカードを入れるかの判断がすごい。強襲ならこれ、赤を入れるならこれと、先ほどまで黒単速攻だったデッキが、あっという間に黒赤中コスデッキへと変化していく。 こうして生まれ変わったデッキが、今の僕の本チャンデッキの元になっている事を考えると、全く、アシャーさんには足を向けて寝てられないのである。 愛と信念と 最後が、キュベさんとの戦いである。ところがキュベさん、この夜は自分のデッキで僕とは遊んでくれなかった。もちろん、遊んでくれなかったというのではなく、アシャーさんが遊びで作ったという赤デッキで対戦したのだった。 このデッキとの戦いは、前述した二つの戦いと比べるとマシな方だった。ナニしろ、できたてとはいえ生まれ変わった僕のデッキと、中身をちょっと確認しただけのデッキではやはりプレイングに差が出る。 結局、キュベさんにはギリギリ勝ち越し。しかし、キュベさんに勝ったわけではない。やはり、その人の本チャンデッキ――造った人の愛と信念が込められた、まさにその本人を表すものだ――に勝利しなければ、本当に勝ったとは言えないだろう。 しかし、逆に言えば、なんで愛と信念が込められたデッキを駆使して、キュベさんに負けているんだという事になる。愛も信念も足らなかったのかといえばそうではなく、デッキ構成が悪かったのかというと、決してそんな事はありえない。 結局、どんなに高価なカードを使おうとも、どんなにデッキ構成がよくとも、そしてどれほどの愛がカードに込められていても、勝負を決めるのはプレイングであり、純粋に腕の問題だったのだ。 例えるならば、盛り土をした上に金ぴかの趣味の悪い仏像をおったてて喜んでいる牛田山は、小高い丘の上に建てられたコウホウダイシ――なんか昔のえらい坊さんである。字もよく覚えてはいないが、地元では知らない人はいなかった。ちなみに、この像が立つ石手寺の前で売っている焼き餅1個四十円はめちゃくちゃ美味い――の石像が立つ石手山にはよー勝たん、と言う事である。ひょっとしたら違うかもしれんなぁ。 そう考えると、即興で新しいデッキを片手に僕と戦ったキュベさん。まだまだ勝てそうに無い気がするのだ、これが。次はわからんが。 とりあえずの終幕 とりあえず、ここでこの夜のレポートを終わる。 何と言うか、負けっぱなしの夜だったのだが、それでも得る所は多かった。戦い方やデッキの組み方など、やはり新しい知識は常に必要だ。同じ相手、似たようなデッキとばかり戦っていては、戦略やデッキの組み方が型にはまってしまう。それでは、プレイヤーとしての腕は向上しない。 これを読んでいる読者の方も、機会を見つけたら積極的に新しい相手と戦って欲しい。そうする事で、貴方の技術も更なる段階へと上がる事ができるはずだ。少なくとも、僕はこれまで180点ものダメージを受けた時は無かったし、黒単速攻の破壊力も知らなかったし、これでもかというくらいにコマンドカウンターを受けた事は無かった。 同じように、貴方はSEEDが入っていない白単が実は強い事、水ユニットがなかなか侮れない事、茶色がいかに嫌らしいかを知らないかもしれないのだ。 もっとも、それを知ってしまったら、貴方はますますカードに使う金額が増えてしまうかもしれない。だが、安心して欲しい。少なくとも、僕は貴方の味方だ。月にカードに五、六万使おうとも、気にする事は無い。まだ、人の道は踏み外していないはずだ。ああ、そうだとも。誰になんといわれようとも、まだまだ大丈夫ッ!!後二、三万はいける。いけるんだったらいけるんだいっ!! ……僕は応援しているぞっ!! |
| ’02 12月の活動記録へ→ | ||